VaRショックに見る情報フローと意思決定

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火曜日の「『サラリーマン』によって日本の資本市場は歪められているか?」に対して、本石町日記(bank.of.japan)さんからコメントいただきました。

2003年の長期金利急騰(0.4%→1.4%)はサラリーマン的なリスク管理(VAR)によって引き起こされ、VARショックと呼ばれています。大手銀行のALM運営がサラリーマン的な側面が強いためで、ヘッジ会計に隠れて見えにくいですが、壮大なる失敗とみられる例がディクロージャー誌などにこん跡が残っている銀行もあります。一方、うまくいくと業務純益の半分をトレジャリー業務で稼ぎ出しますから、取るポジションは時として凄まじいです。銀行勢は概ね期初の買い、期末の売りのパターンが多く、レミング的な行動を取るケースが多いので、これをうまく逆手に取る機関投資家も存在するようです。さすがに最近はVARショックの教訓から、銀行勢は無茶なデュレーション長期化は避けているようです。

とのこと。
メディアで届きにくいタイプの情報
「VARショックと呼ばれています」ということですが。この「VARショック」という用語はgoogleで検索してみても、なんと13件しか表示されません。うち、生きてるのは10件くらい。(本石町日記さんのページ2件を含む。)
また、新聞(日経4紙、朝日、毎日、読売、産経)では、この用語はいっさい引っかかって来ません。検索対象を広げると、「日経公社債情報」でやっと一件ひっかかってきました。(おそらく)専門家の間では使われていても、一般の人にはまったく届かないタイプの情報の一つと言えるかと思います。
最近だんだんわかってきましたが、新聞や雑誌の方々は、「あ、その説明だと、うちの読者には難しすぎます〜」と、かなり低いレベルでフィルターをかけちゃうんですよね。先日も、連結財務諸表の教科書のはじめから3ページ目くらいに書いてあるような説明をご説明したんですが、「あれから部内で”読者には難しすぎるんじゃないか”とケンケンカンカンガクガクの議論になりまして・・・」ということになったり。
ここで想定されている「読者」は、数式で言うと「足し算」「かけ算」くらいまでならOKという方ではないでしょうか。だけど、足し算やかけ算でも(1+r) nといった「複利」とか「年金数理」的な要素が入ってくると、おそらくもうダメですね。
消費者金融で「複利」の概念がわからずに多重債務者が発生したり、牛乳やガソリンなら一円でも安い商品を探すのに、保険となると実質が何百万円も違うものを平気で契約しちゃったりするというのを見ても、「一般の人」のレベルというのはそういうレベルなんでしょう。
いわんやσとか√とかが出てくるものなんて、とんでもないわけです。
(以前も、「銀行のリスク管理状況、知ってます?」で、新聞では(日本で最も重要なことの一つかもしれない)金融機関のリスク管理手法についてはまったく記事になっていないということをお伝えしました。)
さらに。先日、テレビ局の方と話をしてたら、
「テレビって、”3つ”になるともうキツいんですよ。
『ホリエモンvsフジテレビ』というように2つの対決だと絵としてまだイケるんですが、北尾さんが出て来た時点でもうアウトですね。(笑)」
とのこと。
3つでもうだめですか・・・。orz
確かに、ブログ界でも「あいつはフジ派だ」「こいつはホリエモン派だ」と、人の属性を「1ビット」でしか区分けできない方がたくさん散見されましたので、「普通の方」が何かを2ビット以上使ってカテゴライズするちうのはかなりキツいのかも知れません。
また、テレビのアナウンス原稿というのは一分間にだいたい300文字だそうで。1秒間に5文字。2バイトコードとして5×2×8=80bps(・・・って、20年前のパソコン通信より情報量が少ないじゃん!!)
テレビって、数十Mbps以上送れる帯域を、すごくムダに贅沢に使ってらっしゃるわけですね。
VaR管理は「サラリーマン的」なのか?
ところで、このVaRショックというのは、「サラリーマン的」なんでしょうか?
私も不勉強でよく存じないのですが、さらっとあちこち見た感じでは、「個々の銀行にとっては合理的な行動が、社会全体としては大変なことになる」という(システミックリスク的な)例のようにも見えます。リスク限界の設定もBISとか制度的なものからある程度決まってくるものなのかどうか・・・。
ただ、そのもととなった判断のVaRモデルが、どこの銀行でも似たようなものであり、なぜ似たようなものかというと銀行員がサラリーマンだから、「他行でもこうやっております」てな感じで同じようなモデルやリスク限界の設定を採用したとすると、確かにサラリーマン的なのかも知れません。
思い出されるのは、確か87年のブラックマンデーの日に、当時の山一証券の大手町支店の店頭で株価が大暴落してるのを見て、私なんか(株も持ってないのに)「こりゃもう世界の終わりかー」と、(マンガでいうと額に縦の線が入っちゃってる感じ)だったのですが、毛皮を着た金持ちそうなおばちゃんが窓口の男性に向かって、
「ちょっとあんた、これだけ下がってるってことは買いなんでしょ?」
と、食い下がってるのを見て、「はー、世の中にはいろんな考え方の人がいるもんだなあ」と思ったわけです。
以前、「ネット投資家の参入による「新しい生態系」」で、以前は20%を超えていたTOPIXの推定リスク(日立製作所さんのRiskscope による)が、最近ではなんと10%を切る数値になってきたということをお伝えしました。つまり、ちょっと上がると売られる、ちょっと下がると買われるような市場になってきたんじゃないかということかと思います。
全員が一斉に「売りだー」という思考パターンにはまってしまうのは、市場としては非常にまずいわけでして、機関投資家が「売りだー」と思っても、それをまったく別の発想で買う人がいるというのは、「いい市場」ですよね。
全員が「長期ロング」ではなく、「いろんな観点」から短期で売買する人が増えてきたというのも、「いいこと」なんじゃないでしょうか。
以下、資料
前述の、日経公社債情報の記事が、「VARショック」という概念を理解する助けになると思いますので、ちょっと長めに引用させていただきます。

<郵貯のリスク管理新手法>「RaVEC」が始動。2004/12/27, 日経公社債情報
(略)
 日本郵政公社が2004年度から完全導入した郵便貯金のリスク管理モデル「RaVEC(ラベック)」の詳細が明らかになった。大手銀行など金融機関が運用のリスク管理として広く導入しているVaR(バリュー・アット・リスク)が現時点での資産価値の変化だけを見るのに対し、これに将来の期間損益の変化も加えたCEVaR(Company Earnings and Value at Risk=企業価値変動リスク)を取り入れたのが特徴。VaRに比べ急激な金利上昇に対するリスク許容度は高くなり、試算では長期金利が4%台まで上昇しても保有債券の売却を迫られることはないという。(中原敬太)
 金利が上昇した際に郵便貯金が抱えるリスクには、国債などの保有資産の価値変動と、定額貯金の預け替えに伴う将来損益の変動という2つが存在する。大手銀行や生命保険、損害保険など幅広く使われているVaRは、現時点での資産のリスク量に固定されているため、短期的なトレーディングのリスク管理には適しているが、将来の収益も含めた長期的なリスク管理には向かない。
 これに対し従来、郵便貯金でリスク管理として使ってきたBaR(アーニング・アット・リスク)は、期間損益の変動リスクの管理はできるが、資産・負債の時価評価には対応できていない。
 このため郵政公社では、郵便貯金にはこの両方のリスク管理を導入すべきと判断。VaRとEaRを組み合わせたCEVaRを採用したシステムを構築した。郵貯が商標登録した「RaVEC」はCEVaRを逆さにしただけだ。
 具体的には、金利、為替、株価について1万通りのシミュレーションを実施してリスクを計算する。1万通りのうち、最悪95%値、つまりベストシナリオから数えて9500本のケースをリスク管理値とし、この場合に、P/L(損益)ペースで3年連続の赤字に、B/S(資産・負債)ペースで債務超過にならなけば、許容範囲として認められるという仕組みだ。
 例えば、2004年3月末時点の資産・負債をベースに郵政公社が試算したリスク感応度を見ると、金利が0.1%上昇した場合のその他有価証券がB/Sに与える影響は1020億円のマイナス。
 仮に長期金利が3%上昇したとしても資本に与える影響額は3兆円強で、期末の資本3兆6663億円の範囲内におさまる。同様に、為替は10円円高でB/Sに2650億円のマイナスの影響があるほか、株価は日経平均株価が1000円下がるとP/Lに2180億円のマイナスの影響があるとしている。
 2003年の金利急騰局面で金融機関が債券売りを急ぎ「VaRショック」と言われたように、VaRは長期金利の上昇に対する許容範囲が狭い。これに対し、CEVaRは金利が大幅に上昇しても、リスク量の増え方が限られる。仮に量的緩和政策の解除によって長期金利が上昇した場合でも、郵貯が債券運用に大きな変更はない公算が大きい。
 郵貯だけで約100兆円の債券を保有するため、金利上昇時のリスクを危ぶむ声も根強いが、こうしたリスク管理手法の導入により、民営化議論の渦中にある郵貯の安全性を強調する狙いもありそうだ。

(BaR(アーニング・アット・リスク)とあるのはEaRの誤植でしょうか。)
「こうしたリスク管理手法の導入により、民営化議論の渦中にある郵貯の安全性を強調する狙いもありそうだ。」とのことですが、この郵貯のシステム、日経公社債情報2件、日経ビジネス1件の3件しか記事になってないので、まったく「強調する狙い」がハズれてるという気もします。
以下、webの(数少ない)検索結果から主だったモノを
公的債務管理政策に関する研究会(第8回:2003年9月5日)
議事要旨(委員 本間 正明 座長、池尾 和人、富田 俊基、藤井 眞理子)
http://www.mof.go.jp/singikai/saimukanri/gijiyosi/ksk008.htm

それから、資料1にいう「VaRショック」のメカニズムについて解説して頂けないか。(中略)
VaRショックのメカニズムについては、6月までの低金利下において金融機関の国債保有が増加し、デュレーションが長くなっていた中、金利上昇による含み益の減少やボラティリティの上昇により、リスク・リミットを突破してしまったものと思料される。こうした問題は今後も発生し得る問題であり、銀行の貸出が減少し、国債投資が増加する中で、こうしたリスク管理手法やリスク・リミットの設定の仕方が適しているのかという点については、今後の課題といえるのではないか。

マーケットから見た公的債務管理政策について(2003年9月5日)
日興シティグループ証券債券本部 チーフ・ストラテジスト佐野一彦
http://www.mof.go.jp/singikai/saimukanri/siryou/ksk008_1.pdf
三菱証券「債券投資デイリー」(2004年7月16日)
金融市場戦略部チーフ債券ストラテジスト石井純
http://www.mitsubishi-sec.co.jp/houjin/s_report/souba/200407/16.pdf

� 相場変動の「加速度」がつきやすくなることで、昨夏のような“VaR 相場(VaR ショック)”が発生しやすくなる

三菱証券「債券投資ウィークリー」(2005年2月10日)
石井純チーフ債券ストラテジスト、長谷川治美シニア債券ストラテジスト
http://www.mitsubishi-sec.co.jp/houjin/s_report/fi_st/2004_2nd/st0210.pdf

98年末からの“資金運用部ショック”、03年夏の“VaRショック”による0%台からの金利急騰は、債券バブルの破裂と捉えられよう。

本石町日記(さん)
http://hongokucho.exblog.jp/2228748/
http://hongokucho.exblog.jp/1266032/

本日の日経金融(日銀、手探りの内部改革)は…
問題の本質が分かっていない。(中略)
また、ある委員は「現場に近い担当者を呼んだ方が実態をつかめる」と言っているが、今の日銀の問題は現場に聞いても実態が掴みにくい、ということだ。なぜなら、圧倒的量的緩和でインタバンクは死んでおり、掴むべき実態がない。また、情報収集において、両ウイングとも全般にアナリスト的ないしリサーチ的なアプローチを取る傾向が強く、個別情報の収集力が弱体化している。昨年のVARショック時には、現場からの情報では何が起きているのかつかめないため、企画関係者が自ら情報収集に動いた形跡すらある。

日銀の政策決定に関する情報の流れもどーなのよ、ということですね。
「若き知」(2004.3.30)久保田博幸氏
http://fp.st23.arena.ne.jp/keio/k0403.htm

昨年の債券市場におけるVARショックを見てもリスク管理は機械的にするべきものではない。マニュアルも必要かもしれないが、マニュアルで想定していないリスクに対処できなければ本当の危険は防げない。

西村信夫の「MNC」266
http://sv3.inacs.jp/bn/?2004070060427644014774.mnc

続・金融再編/メガ・バンク統合=VaR ショックを誘因か?
三菱証券・金融市場戦略部チ−フ債券ストラテジストの石井純さん(略)は、「MTFG とUFJ の経営統合でくすぶり始めた債券需給を巡る憶測」と題して、概ね次のようにコメントする——。
三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)とUFJグループは、本日にも経営統合に向けた基本合意を正式発表するという(各種報道より)。債券市場は、世界最大の資産規模となるメガ・バンク統合が債券需給等に及ぼす影響を気にして、ざわつき始めた。そこで、それを“一般論”の範疇で、思考実験してみた。ポイントは主に次の4点だと思う。(以下、記述無し。)

J.B.A.掲示板
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/9038/geobook_2.html

Mr.Bond – 04/01/30 16:07:49コメント:
都銀のバランスシートを見ると、03/7月に有価証券93.4(うち、国債54.1)兆円あったのが、債券市場が暴落した9月末には90.2(同、49.2)兆円と各々、△3.2(同、△4.9)兆円と、VARショックが輪をかけて大幅に減少しました。その後、11月には94.8(同、55.5)兆円と各々+4.6(+6.3)兆円と、残高だけ見ると都銀の債券ポートフォリオは復元されたように見えます。事実、日本証券業協会の投資家別売買動向を見ても、10〜12月累計で(長信銀も含まれていますが)3.2兆円の大幅買い越しになっています。ここで、良く考えてみてください。VARショックの後遺症はなくなったわけではありません。許容されるリスク量は、債券10年国で計算すると、6月ピークの6割弱しか保有することができません。にもかかわらず、債券残高が既に既往ピークを超しているということは、言葉を変えると「短中期債を大量に抱えて、少なくなった債券保有可能枠を使っている」ということです。そのために、昨年央の債券ポートフォリオの収益性に比べると、リスク単位辺りの収益性は著しく見劣りしていると言うことが予想されます。従って、債券相場が、1.5%台から1.2%台へ利回低下しても大きく相場を下げるような「戻り売り」が出てこなくなっているのだと思います。今年(=03〜04年度)は、恐らく大きな戻り売りができるような銀行は出てこないでしょう。むしろ、今まで債券ポートで業務純益の4〜5割前後を稼いできた収益を、これからはどこがカバーするのか注目されます(今の状況であれば、株の売却益に頼るしかないかもしれません)。有価証券部門でも、これからは達磨さんになって静かになるポートと、起死回生を狙って勝負に出る銀行と、2つのグループに分かれてくるでしょう。前者は意外に収益余力のある銀行で、後者は背に腹は変えられない、追い込まれた銀行が銀行の屋台骨をかけて一発勝負に出てくるのかも知れません。いま、私が予想する金融環境であればこれからは熾烈なサバイバル戦が始まろうとしているかも知れません。

(以上)

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VaRショックに見る情報フローと意思決定” への17件のコメント

  1. 論旨とは全然関係ないんですが、
    「あれから部内で”読者には難しすぎるんじゃないか”とケンケンガクガクの議論になりまして・・・」だそうで、マスコミの人でも喧喧囂囂と侃侃諤諤をゴッチャにしてしまうんですね。
    と、とってつけたように日本語の乱れを憂いてみましたw

  2. VaR管理も「サラリーマン的」だと思います。
    大雑把に書きます。
    VaRは「価格変化のボラティリティ」で決まります。
    ある株式銘柄が、これまでは仮に毎日1円くらいしか株価が動かなかったのに、あるときから毎日20円くらい株価が動くようになってしまうようになったとします。
    これまでの20倍も評価損益が上や下に振れてしまいます。株価変化から計算されるVaRも大きくなり、認められていたVaR(許容できるリスク)を超えそうになったとします。
    (金利、為替、株式などの市場取引のリスクは、VaRの3〜4倍の数値としなければならないと金融検査マニュアルで書いてあり、急激にマーケットが変化すると、リスクに対する許容度はすぐなくなってしまいます)
    さて、どうするか。
    �VaRが大きくなったので、この株式を売る
    �もっと大きなリスクを取れるように、認められているVaRの枠を拡げてもらう
    �一時的にVaRが大きくなったと判断できれば、売らないでおく
    �や�は「今は損をするかもしれないが、マーケットが勝手に動いたんだから、もう少し頑張らせろ」というお話。
    当然普通のサラリーマンはそんなことを上司や取締役会に向かって言えません(笑)。
    と言うことで、一斉に売るわけです。
    みんな売っているから大丈夫なんです。
    赤信号は全員で渡るんです(笑)
    大雑把過ぎていたら、ご容赦ください。しかも長文。
     
    郵政公社はディスクロージャー誌にリスク管理手法を記載しています。
    http://www.japanpost.jp/top/disclosure/j2004/kousha/pdf/04.pdf
    「リスク管理への取組」参照
    (郵政公社が定めたリスク管理の基本原則はHP内では発見できませんでした)

  3. なーるほど。
    ただ、株式一銘柄のボラティリティの変化ならともかく、大量に抱えている国債の金利が上昇しはじめてまわりが売り一色になった時に、「サラリーマンでない」人であっても、一社だけ「売らない」という選択肢を「合理的に」説明しうるのかどうかについては引き続きよくわかりません。
    そのへんが、郵政公社のEaRと組み合わせた手法というやつだとカバーされてるのかどうかというのに非常に興味がありますね。ほとんどのケースについて、「より合理的」に動けるのか、それとも、「どんなモデルであっても限界はあるので、それに忠実に従う限り”サラリーマン”になっちゃう」のかどうか。
    MSCBのオプションバリューと同じで、統計的一般論として考えた場合と、売り崩しやコールのための資金がそもそも調達できないケースなどを考えた場合に、実はオプションバリューが必ずしもリスクを適切に表していない、みたいなもんでしょうか?
    (・・・ひとりごとでした。)

  4. マスメディア、80bpsの中で

    磯崎氏によるisologueに、VaRショックに見る情報フローと意思決定というエントリがあって、その中に余談として以下のような文章があった。
     
    また、テレビのアナウンス原稿というのは一分間にだいたい300文字だそうで。1秒間に5文字。2バイトコードとして5×2

  5. isozakiさんへ
    いつもご苦労様です。
    郵貯の抱える保有債権のリスクについては、
    郵貯のリスク管理手法が銀行のVarよりリスク許容度が高い点と、
    財務省の国債管理政策が充実している点、個人を中心に15年変動金利債
    が安定消化されている点、日銀が量的緩和政策を維持している点、等々から
    考えても、郵貯は債権相場の急激な変動によるシステミック・リスク的なところ
    からは比較的遠い状況じゃないかと思うわ。
    長期金利の上昇は景気の回復に伴い徐々に進むのが理想よね。
    まあ、まず郵貯の運用が金利上昇を誘発するような売りには繋がらないという
    ことかと・・・。
    おじいちゃん、おばあちゃんの郵貯が金利上昇を招いて、彼らの年金生活が
    破綻したらそれこそしゃれにならないわよね・・・。
    一方、郵政改革は進むのかしら・・・・・・・・・?。
    という別の観点でのリスクヘッジ手段もあったりして(笑)

  6. ちょっと横道にそれますが、妄想殿。
    >ある株式銘柄が・・・・・・・・(中略)
    >これまでの20倍も評価損益が上や下に振れてしまいます。株価変化から計算されるVa
    >Rも大きくなり、認められていたVaR(許容できるリスク)を超えそうになったとします。
    株の場合�の対応はアリです。
    >今は損をするかもしれないが、マーケットが勝手に動いたんだから、
    もう少し頑張らせろ
    という内容の主張については、結構普通にしてきますよ。
    投げずに凍結するほうが良いと判断した場合、凍結させ、
    割りにあわないな。とおもった場合は
    期限を決めて処分させるといった対応を取ります。
    �の対応は株式で個別の銘柄だけを特別多く保有している場合、
    しがらみによるところが大きいので、その場合�の対応をとります。
    まあどちらも「減らす方向で動いてね」と釘をさし、監視を強める対応
    となるとは思います。

  7. ゲーム理論だな,リスク計算なんて個別案件毎、会社ごとに違うわけだよ。大多数が一つの理論にしか立脚しないのであればそれは必負法になるわけで、結局常にマーケットは正しいと考えて動けなければ評価損がどんどん積み上がっていくと。流れに乗って行くのは楽しいね。

  8. 例えば、郵貯の例の「1万通りのうち、最悪95%値、つまりベストシナリオから数えて9500本のケースをリスク管理値とし」なんて基準の場合、逆に言えば5%ならめちゃくちゃなシナリオがあってもいいわけですね?
    例えば、低い(5%以下)可能性で大損をして、高い可能性で少し得をするようなポートフォリオ(例えばディープアウトオブマネーのオプションを大量ショートするとか)のリスクを適切に評価できないと思います。
    で、もし、自分がサラリーマンファンドマネージャで、自分の年俸が「前年年俸×(1+ファンドの利益率×2)、ただし前年年俸の70%は保証。」てな契約だった場合、自分の年俸の期待値を極大化するためには、、、実は、上記のようなポートフォリオを組むのが一番なんですよね。
    これ、会社の有限責任制度における過度のリスクテイキングの問題と同じですね!
    まぁ、こういうことをやらないのが日本人サラリーマン(のいいところ)なのでしょうけど。

  9. 一昨日、「生きてます」宣言いただきありがとうございました。
    書き込みする時間が無く、コメントをしそびれてしまいましたが、
    いかんせんほぼ毎日書き込みをされていたので心配になり、
    ついお体が悪いのかなと勝手な想像をしててしまいました。
    (花粉症がビデオで治った等ありましたので、花粉症でお辛いのか、
    はたまたライブドアの件でつっこみが厳しくストレスがたまったのかと・・・)
    なんにせよ、ご無事でなによりでした。
    また、楽しい文章を拝見させていただけて嬉しく思います。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  10. ところで、磯崎さんのこのisologueのHPですが、
    以前からアドレス記憶させず、毎回googleで検索して出してみていましたが、
    つい先週のことですが、どやら日本一有名な?「磯崎」さんになられたようですね。
    (Googleの「磯崎」検索トップになりました)
    改めて、お祝い申し上げます。

  11. 2ビット化する思考は、子供の思考だそうです。
    少し前に聞いた、アダルトチルドレンが増えてきたと言われたことも同じ事を
    指しているのだと思いますが、白か黒か、yesかnoかとデジタルに分けようと考えるため、
    いきなり「生きるか、死ぬか」などと練炭騒動まで発展してしまうのだと思います。
    その点、磯崎さん含めた多くの方は、ライブドアの件を多角的に見てらっしゃるようで、
    「おとな」!ですね。
    そう言った点では、書き込みがない→病気か?などと端的な発想はやや幼稚だったかもしれません。
    が、毎日ここを読むのが日課になっておりましたので、少し寂しかっただけなのかと・・・。
    と言うわけで、日々応援しています。
    かわりと言ってはなんですが、万一「空襲」等で食べ物が無くなったり、
    大変な事態となりましたら、作物だけは多くある私(を含めた)長野県人にご相談ください。
    ガウシアン分布、正規分布の端っこの確立で保険代わりにお役に立てればと
    思っております。

  12. エントリーでの紹介、恐縮です。
    「VaRショック」は、金利市場では定着した用語ですが、テクニカル過ぎるので一般メディアに登場した例は私の記憶する限りないです。「田舎のおじさん、おばさんにも分かるように書け」と言われるので、分かるように書けないものは結果的に書かれないわけです。私も一般向けには書いたことないです(笑)。ただ、専門的な事象に興味ある方はいらっしゃるはずで、私がブログを始めたのも、そういった方々の関心を多少とも満たせればいいなあ、と思ったためです。現状、さほど余裕がないので、日銀が中心ですが、マーケット関係もカバーしていきたいと考えています。
     「VaRショック」は、リスク管理手法のVaR(邦銀のバンキング勘定への適用はなじまないとの意見は依然根強い)というより、それを使う銀行のサラリーマン風土によって引き起こされた側面が大きいです。VaRはリスク管理の一つの“ものさし”に過ぎず、本来は人間の総合判断が優先されるべきところを、VaRに機械的に従って、大量のヘッジ売りが加速しました。現場担当者は金利上昇は一時的で売る必要はないと思っても、金利が上がって評価損が発生する最中、銀行内のALM委員会(運用方針を決定する場)で、得てして市場経験者でない偉い人から、大丈夫かと問われると、さすがに断言ではできないですから、サラリーマンリスクを回避するため、VaRに従って売りを出す。これが連鎖発生したわけです。
     VaRの技術的な特性として、金利がゆっくり低下していく局面ではボラティリティが下がり、それによって金利リスクがより取れる(債券を買える)ようになる一方、金利が上がるとボラが上昇、一転して取れる金利リスク量が急激に減少し、どんどん債券を売らないといけない羽目に陥ります。また、銀行が再編によって債券ポートが巨大化し、一行当たりの売りインパクトが大きかったことも、VaRショックの背景要因と考えられます。
     この問題、いろいろ論点は多いのですが、長くなりますので、この辺で。今後ともよろしくお願いします。

  13. VARショックよりも、その前の金利低下(10年国債0.4%)の方が問題で、バブルが弾けたということだと思います。そもそもマイナス金利があり得ない中で、あそこまで買い上がるのは、運用方法が固定利付債のアクティブ運用(しかもキャピタルゲイン狙い)に限定されているサラリーマンならではだと思います。

  14. 一億総貴族化社会

    問題です。ある国では、かつて年収100万円の層が90%、年収1000万円の層が10%だったのが、年収300万円の層が99%、年収3億の層が1%になったそうです。この国は「格差社会」化しているのでしょうか?ここでインフレはほとんど進んでいないものとします。

  15. [history][politics]反知性主義についてのいい加減な考察

    常夏さんからいただいた次のコメントにインスパイアされまして、ちょうどいいとっかかりがネットで公開されたことも踏まえて、駄文をつらつらと。先行研究などの参照は一切していませんし、裏取りなども適当にすませてお筆先モード(笑)で書きますので、どしどし批判をお…

  16. 郵政公社のディスクロージャー資料を眺めていたら、郵便貯金と簡易保険ではリスク管理方法が違っているようです。
    http://www.japanpost.jp/top/disclosure/j2004/kousha/pdf/04.pdf
    一般的にVaRは金利、為替等の市場関連リスクのための指標なのですが、簡易保険はVaRでリスク管理をすると書いてあり、郵便貯金は「企業価値変動リスク」を計測し管理すると書いてあります。つまり金利の上昇局面で簡易保険の運用者はと郵便貯金の運用者と異なった行動をとることになります。
    リスク管理という視点で見ると、「企業価値変動リスク」を使うことで「VaRに比べ急激な金利上昇に対するリスク許容度は高くなり、・・・」ということは、「一般的なリスク管理指標(VaR)より大きなリスクを許容する指標を採用している」ということになります。
    「郵便貯金はVaRで管理する一般金融機関より大きなリスクをとる」にもかかわらず、預金者は「郵便貯金はリスクが低い」と考えているわけですから、そのリスク・ギャップは政府の元本保証が埋めているように思えるのですが・・・。
    政府保証のない郵便貯金をどう考えるか、などという議論は妄想の想定外です(笑)