敵艦スクリュー音、未だ無し!(ニッポン放送株:解決編)

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durianさんからコメントいただきました。

ロイターのニュースに、投資一任勘定を持って運用している業者に対しては、大量保有報告書の提出に特別ルールが設けられているとの記事がありましたが、本当ですかね。

紹介していただいたのは以下の記事です。
http://charge.biz.yahoo.co.jp/vip/news/rtr/050217/050217_mbiz2396764.html

2005年 2月17日(木) 14時52分
[アングル]村上ファンド保有のニッポン放送株の行方、3月15日か4月15日に判明
鈴木 透編集委員
(中略)
 [東京 17日 ロイター] フジテレビジョン<4676>とライブドア<4753>がニッポン放送<4660>株式の争奪戦を繰り広げる中、ニッポン放送の大株主であるM&Aコンサルティング(村上世彰代表・通称「村上ファンド」)の動向が注目されている。16日に公表された株式大量保有報告書には同社の届出はなく、同社がニッポン放送株式を売却したか否かは、依然として不明のまま。
 投資ファンドに認められている大量保有報告書提出の特別ルールに照らせば、村上ファンドが売却していた場合には、売却割合によって3月15日か4月15日に大量保有報告書が提出され、売却先が判明する。
 2月8日にライブドアが東証の時間外取引でニッポン放送株の29.63%を取得したと発表した時、市場関係者などの多くは、ライブドアにニッポン放送株を売却したのは村上ファンドではないか、との想像を巡らせた。これは、村上ファンドが1月5日現在、ニッポン放送株の18.57%を保有していたからだ。
 しかし、M&Aコンサルティングも村上代表も一貫して、「個別銘柄の売買についてはコメントできない」との姿勢を貫いているため、いまだに村上ファンドがライブドアにニッポン放送株を売却したのか否かは判明していない。M&Aコンサルティング側が明らかにしない以上、事実確認の手段は株式の大量保有報告書に頼らざる得ない。(中略)
 このため、16日に村上ファンドからの届出がなかったことで、村上ファンドはライブドアにニッポン放送株を売却していなかったといった一部報道もされている。
 しかし、M&Aコンサルティングのように投資一任勘定を持ち運用を行っている業者には、大量保有報告書の提出に特別ルールが設けられている。これは、1)保有比率が1%以上変動した場合には、各業者の定める基準日の翌月の15日までに大量保有報告書を提出する、2)2.5%以上変動した場合には、翌月の15日までに大量保有報告書を提出する—というもの。
 このルールに照らした場合、村上ファンドがニッポン放送株を2.5%以上売却していれば、3月15日が大量保有報告書を提出期限に、1%以上であれば村上ファンドの定めている基準日が3、6、9、12月となっているため、4月15日が提出期限となる。

 「16日に大量保有報告書が提出されていないことから村上ファンドはライブドアにニッポン放送株を売却していなかった」との一部報道に対しても、M&Aコンサルティングの関係者は、「3月15日か4月15日を過ぎるまでは、何も言えない」としており、事実が明らかになるまでは、今しばらく時間がかかりそうだ。

どうりで大和証券さんの大量保有報告書も出てないわけですね。てっきり(単純に)「翌月」15日かと勘違いしていました。3ヶ月毎の月末だけで考えればいいわけですね。大変失礼いたしました。<(_ _)>
つまり、TOBの場合に、誰がどれだけ「手札」を持ってるかを悟られたくない場合には、証券会社や投資顧問業者を間にかませるのが手っ取り早いわけですね。「村上ファンド」がL.P.や任意組合から直接投資をせずに、投資顧問業者である「株式会社MACアセットマネジメント」に投資一任契約で一任しているのも、そういうフレキシビリティがあるからかも知れません。
鹿内氏が昨年のうちに信託受益権を大和証券に譲渡していたにもかかわらず、1月7日にプレスリリースしたのは、フジテレビのTOBを成功させるために、「鹿内氏はもう手札を持ってない」ことをアピールするためだったのかも知れませんね。(なぜ1月7日だったのかは、未だによくわかりませんが・・・。鹿内家が大量保有報告書を提出する12日に合わせてもよかったのでは。)
村上ファンドも、今までは、例えば1月5日に株券等保有割合が16.01%→18.57%まで2.56%上がった時も、(2.5%超なので)翌月2月15日までに大量保有報告書を提出すればよかったにもかかわらず、あえて1月13日に開示したんでしょうね。
「ここまで株を握ってるぞ」というのを見せつけておいて、その後、「機関停止!」とスクリューを止め、音を完全に消し去って、今はじーっと海底に潜んでるわけですね。
(うーん。)
以下資料
すみません、証券取引法第二十七条の二十六をよく読みこんでませんでした。(反省)

第二十七条の二十六  証券会社、銀行その他の内閣府令で定める者(第三項に規定する基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限る。)が保有する株券等で当該株券等の発行者である会社の事業活動を支配することを保有の目的としないもの(株券等保有割合が内閣府令で定める数を超えた場合及び保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。)又は国、地方公共団体その他の内閣府令で定める者(第三項に規定する基準日を内閣総理大臣に届け出た者に限る。)が保有する株券等(以下この条において「特例対象株券等」という。)に係る大量保有報告書は、第二十七条の二十三第一項本文の規定にかかわらず、株券等保有割合が初めて百分の五を超えることとなつた基準日における当該株券等の保有状況に関する事項で内閣府令で定めるものを記載したものを、内閣府令で定めるところにより、当該基準日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
○2  特例対象株券等に係る変更報告書(当該株券等が特例対象株券等以外の株券等になる場合の変更に係るものを除く。)は、第二十七条の二十五第一項本文の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める日までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に提出しなければならない。
一  前項の大量保有報告書に係る基準日の後の基準日における株券等保有割合が当該大量保有報告書に記載された株券等保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の当該大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
二  当該大量保有報告書に係る基準日の属する月の後の月の末日において株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準に該当することとなつた場合 当該末日の属する月の翌月十五日
三  変更報告書に係る基準日の後の基準日における株券等保有割合が当該変更報告書に記載された株券等保有割合より百分の一以上増加し又は減少した場合その他の当該大量保有報告書に記載すべき重要な事項の変更があつた場合 当該後の基準日の属する月の翌月十五日
四  前三号に準ずる場合として内閣府令で定める場合 内閣府令で定める日
○3  前二項の基準日とは、特例対象株券等の保有者が内閣府令で定めるところにより内閣総理大臣に届出をした三月ごとの月の末日をいう。

つまり、証券会社や銀行以外にも、内閣府令(株券等の大量保有の状況の開示に関する内閣府令)で特例となる業者が定められているわけです。

(特例対象株券等の保有者である証券会社等の者)
第十一条  法第二十七条の二十六第一項 に規定する証券会社、銀行その他の内閣府令で定める者は、次に掲げる者とする。
一  証券会社、銀行、信託会社(信託業法 (平成十六年法律第百五十四号)第三条 又は同法第五十三条第一項 の免許を受けたものに限る。)、保険会社、投資信託委託業者、投資顧問業者(有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律 (昭和六十一年法律第七十四号)第二十四条第一項 の認可を受けたものに限る。)、農林中央金庫及び商工組合中央金庫

投資顧問業法の第二十四条第一項の認可を受けたものとは、「投資一任契約」をできる投資顧問業者のことです。
また、特例とならないのは、以下の通り10%以上の場合。

(特例対象株券等から除外される場合の株券等保有割合の基準)
第十二条  法第二十七条の二十六第一項 に規定する内閣府令で定める数は、百分の十とする。

また、「株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として内閣府令で定める基準」というのは、以下の通り、第16条で「2.5%」と定められています。

(株券等保有割合が大幅に増加し又は減少した場合として定める基準)
第十六条  法第二十七条の二十六第二項第二号 に規定する内閣府令で定める基準は、株券等保有割合が同条第一項 に規定する大量保有報告書に記載された株券等保有割合より百分の二・五以上増加し又は減少したこととする。

(以 上)

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敵艦スクリュー音、未だ無し!(ニッポン放送株:解決編)” への7件のコメント

  1. 村上ファンドの記事を比較してみる

    本日Yahoo!ファイナンスのニュースに以下の記事が掲載されました。
    <ニッポン放送株>村上ファンド売らず ライブドア大購入日
    フジテレビジョンとライブドアによるニッポン放送株式の争奪戦で動向が注目されている投資ファンド、M&Aコンサルティング(通称「村…

  2. 商法や証取法は、奥深いなあ、と興味深く読ませていただいてます。
    全く大量保有報告書が出ていないというのも不気味ですね。
    仮に「村上ファンド」が売っていないとして、フジテレビ等売らない株主が何%持ってて、投資一任勘定を持ち得ないところが何%持ってて、残りが何%位になり、ライブドアが取得した回数で取得可能か、とか考えていくと、推理小説並みに面白いですね。
    しかし、目の離せない、騒動です。きっと将来商法の教科書のケーススタディになるんでしょうね。
    では、今後も楽しみにしています。

  3. [経済][投資]ニッポン放送株

    フジテレビが自分のメディアとしての立場を利用して反ほりえもんキャンペーンを張っているようですが、そういうメディアを経営者が私物化するような態度に対して、他のメディアから批判の声があがらないところに、日本のメディアの公共意識の低さが感じられるような気がす…

  4. ライブドア(最近こればっかり)

    社長日記
    2/16(水) 超多忙かも・・・
     
    そりゃあそうでしょう。
     
    私は朝、ズームインの辛坊治郎さんのコーナーを見ているのですが、
    最近のライブドア騒ぎの比較的分りやすくて、ポント情報を伝えています。
    ワイドショーも、連日ライブドア取り上げてるよ

  5. 村上ファンドは、少なくとも7.2%以上はニッポン放送株をライブドアに売っています。ニッポン放送もフジテレビもそれを確認しています。村上ファンドは株式の名義書換をしてニッポン放送に株主提案をしていましたが、その村上ファンド名義の株式が、相当数今回、ライブドアに書き換えられたからです。8日の時間外取引で、10.6%は全株を放出したサウスイースタン社しかないし、7.2%は、フジテレビ、大和證券と村上ファンド以外になく、フジも大和も売っていないことを考えれば、村上ファンドが大量保有報告書を提出するまでもなく、売ったことは誰でもわかる話です。

  6. >「村上ファンド」がL.P.や任意組合から直
    接投資をせずに、投資顧問業者である「株式会社MACアセットマネジメント」に投資一任契約で一任している
    のは、LPS(なおGPも外にいることが前提)に限って言うと、各パートナーの日本におけるPEリスクをなくすためと理解していました。認可投資顧問業者であれば租税条約上の独立代理人と解してよい(で(従属)代理人PEを構成しない)という投資顧問協会の通知かなんか(国税に確認した結果というもの)があった気がします。マネジャーが認可業者以外の場合にはそれに乗っかれず従属代理人リスクは払拭できないんでしょうね。

  7. kumapoohさん、
    私もPEリスク対策もあるんだろうとは思ってましたが、その投資顧問協会の通知は存じませんでした。ありがとうございます。勉強になります。
    (ではでは。)