株の税金

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個人の証券税制の専門家って意外なほど少なそうです。
昨年の確定申告シーズン前に、某協会さんの証券会社社員向け確定申告の説明会にもぐり込ませてもらったのですが、その講師の税理士の先生、
「普通、税理士は、個人投資家の確定申告の手伝いなんて、まずやりませんよ。」
「私は、『株の譲渡所得の確定申告、やってもらえない?』と言われたら、あらゆる言い訳を考えて、何とか断ります。(笑)」
てなことをおっしゃってまして、ちとびっくり。
確かに、これだけ頻繁に株式関連の税制が変わったら、追いつくだけでも大変でしょうし、たいがいの税理士さんは法人関連の税務で食ってらっしゃるわけで。個人投資家で税理士に依頼されるというのは、よほどのお金持ちの場合に限られるのかも知れません。
そもそも以前は申告不要でしたしね。
上場株の取引だけなら「譲渡益も配当も10%」ということで、わかりやすくはなってきましたし、「源泉徴収ありの特定口座」だけで取引してる人は申告しなくていいわけですが、一般口座が混ざるとか、未公開株も譲渡したとかいうことになると、とたんにディープな世界が待ちかまえています。
また、取得の平均単価を計算するだけでも実際にやって見ると大変。(税理士さんがやりたがらないのもうなずけます。)
Webで検索してみると、個人の方が作っている管理ソフトはあるようですが、メジャーな会社が出している株式の管理ツールや確定申告支援ソフトって見あたらないですね。税制が毎年変わるのでメンテナンスが大変で、しかもあらゆる(ディープな)ケースを想定した仕様にしないと売りモンにならない割に、ほとんどの人はその一部の機能しか使わないので、コストパフォーマンスが悪くなっちゃってビジネスとしては厳しいんでしょうね。または、証券会社が提供するツールで間に合っちゃうとか。
みなさん、いったいどうされているんでしょうか?
前出の証券会社社員向けセミナーでは、講師の先生が、
「ま、投資家の申告書を書いてあげているみなさんの方がお詳しいかも知れませんが。」
てなことをおっしゃってて、これまたびっくり。実際には、証券の営業の方々がそうやって個人投資家の申告を手伝ってるんでしょうね。それって、限りなく税理士法違反に近いような気もしますが・・・。(苦笑)
でも、税理士がやりたがらないんじゃ、誰かがやらないと仕方ない・・・。
株の税金って、先日書いた例もそうですが、実際にやってみないとよくわからない。例えば小数点以下を切り捨てるのか切り上げるのか、等、実際に自分でExcelで計算しようとしてみて初めてわかることが多いんではないかと。税理士さんですらやってないわけですから、税調の先生方は細かい実務はまったく想定せずに証券税制を決めてらっしゃるんでしょうね。
その説明会でも、会場の証券マンの方々からいろいろ質問が出たわけですが、どれもすごいディープでした。即答できなくて持ち帰るなど、講師の先生もタジタジ。最前線で個人投資家からの質問の矢面に立つ証券の営業の方々が、この世で一番、証券税制に詳しいのかも知れません。
実際、書店やAmazonで株の譲渡所得を詳しく扱った税務専門家向け書籍を探したんですが見つからないんです。株の申告を手伝う税理士が存在しなければ、そんな本、書いても売れるわけがないですわな。
てなことをふまえて書店で適当な本を探していましたが、この本、

4532351278.09.MZZZZZZZ.jpg
株の税金確定申告マニュアル (2005)
日本経済新聞社

は、申告で悩んでらっしゃる個人投資家の方にはオススメではないかと思います。
根拠条文をreferしていないなど専門家向きではないですが、どうやって計算すればいいのかがわかりやすく書いてあり、また、「ハザマ、東急建設等の会社分割は、どう取得単価に影響させればいいのか」、等、昨年の具体的な事例が載っているのも実務的でいいですね。
平均単価を計算するExcelシートの見本、銘柄別のみなし取得価格(取得費特例)、分割や併合等一覧までついてます。
(ご参考まで。)

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