ライブドア、会計ソフト参入
SPA!さんにまた取材していただき、本日発売のSPA!にコメントを載せていただいてます。

(40ページ「検証 IT企業はやっぱりヒラ社員もオイシイ、のか!?」)
ご笑覧いただければ幸いです。今回は写真うつりも思いっきり悪いです。TT
コメントの引用も短いのでいろいろ誤解を招きかねない表現がありますが、お許しを。
(「証券会社は登録制なので、簡単に参入できず、他のネット事業より競争が緩やか」なんて表現を見たら、ネット証券の方からは、「全然緩やかじゃねーよ!」とツッコミが入りそうですが・・・。
あくまで、他のネットビジネスよりは、経済学的に見て超過利潤が発生する余地がある・・・ということですので、ご容赦を・・・。)
さて、本題ですが。
本日の日経朝刊に、ライブドアが会計ソフトの弥生を買収したという記事が載っていました。
ライブドア、会計ソフト弥生を買収――230億円、40万の顧客基盤活用
インターネット関連企業のライブドアは、会計ソフト大手の弥生(東京・中央、平松庚三社長)を買収する。買収金額は約二百三十億円。弥生は中小企業を中心に全国で約四十万の取引先企業を抱える。ライブドアは買収でソフト販売事業を強化する。また弥生の顧客基盤をネット関連サービスに活用し、相乗効果を追求する。
弥生の筆頭株主(出資比率は約九五%)となっている企業買収ファンド、アドバンテッジパートナーズ(東京・千代田)などと合意し、八日に契約した。
(中略)
弥生の前身は米会計ソフト、インテュイットの日本法人で、二〇〇三年二月に経営陣による企業買収(MBO)で独立した。(中略)二〇〇四年七月期の売上高は六十六億円、営業利益が二十五億円。
これ、大変面白い!かもしれませんね。
会計ソフトというのは、まさに企業の「財布の中身」の情報をすべて知ることのできるソフト。Googleのlocal searchにポテンシャルを感じるのと同様の理由で、このソフトも知りえた情報をベースに、(Googleのlocal searchよりさらに)「カネ」に直結することを提案することができます。
(例えば、ベタな発想で一例を挙げれば、資金繰りが悪くなってきた企業の会計ソフトの画面に、商工ローンの広告が表示されるとか(笑)、不動産の量の割に保険料の額がでかい企業には、格安の保険を仲介するとか。)
また、以前にも申し上げたように、会計ソフトは記帳代行のマーケットとも密接な代替性があると考えられ、記帳代行をやってらっしゃる税理士さんのマーケットも、徐々にソフトウエアによって侵食されていっているわけですが、
ブロードバンド時代ですので、会計ソフトの質問ボタンをクリックすると、コールセンターの税理士がビデオで格安で相談に乗ってくれるというようなサービスが、数年後には現れるかも知れません。
ライブドアさんの買収した企業の中でも、格段にキャッシュを生んでいる事業ではないかと思いますが、プロ野球への出費もなくなったことですし、このキャッシュフローをただenjoyするのに甘んじることなく、「無料会計ソフト」(笑)とか、また、とんでもないことをやらかしていただけるんでしょうか。当面、会計ソフト関係の業界は大騒ぎでしょうね。
(ではまた。)
コメント
いつもisologueを愛読しております。これだけ良く調査されていると感心する記事が多く参考にさせていただいています。
さて、今回の記事について少し気になる点がありましたのでコメントさせていただきます。
会計ソフトはおっしゃるようにユーザーが財布の中身をさらけ出すわけですが、ソフト会社が知りえた情報を使って他のサービスや商品を売り込もうとすると情報の目的外使用となって、個人情報保護法などの法令に違反する可能性が高いのでこうした営業はまず不可能ではないでしょうか。最近は個人や企業がもつ情報に関するセキュリティについての関心が深まり、消費者が受け取るダイレクトメールに含まれている個人情報の出所はどこか?といった照会がどんどん寄せられるようになってきました。世間一般に情報セキュリティや情報利用についての意識が随分高まってきたという感を深くしています。
企業サイドも情報管理が徹底できていなければ消費者からそっぽを向かれる時代になってきています。ネットビジネスでは信頼感を損なわないように情報利用について格段の自己規制が求められるのではないかと思います。
Posted by: Keiichiro.K : November 10, 2004 | 8:59 PM
過分なお言葉、どうもありがとうございます。
会計ソフトは、「ローカル」 のパソコンに存在するところがミソなんじゃないかと思います。
当然、会計データが外にダダ漏れの会計ソフトなんて、誰も使わないわけですが、ローカルのパソコンの会計ソフトに組み込まれているエージェントが判断して、匿名性のある形で、関連するサービスの広告等を自ら取りに行くなど、問題にならないやり方もあるのではないかと思います。
(Googleのgmailとかlocal searchもその辺を狙ってるわけですよね、きっと?)
もちろん、ソフトウエアの利用規約上、「匿名ではあるが、内部のデータを解析して、広告等を表示させていただきます。」というお断りを入れるとか、「広告や紹介を行う代わりにソフト無料!」といったマーケティング的工夫をするとか、匿名性を成立させるための技術的工夫をするとか、は必要だと思いますが。
どうでしょ?
Posted by: Tetsuya Isozaki : November 10, 2004 | 10:36 PM
弥生の40万におよぶ顧客ベースはネットサービスと融合できればライブドアにとって大きなシナジーを期待できるのできっといろいろなサービスを企画しているでしょう。
会計規則や税制が変わるのに合わせて会計ソフトは時々バージョンアップしておいたほうが便利ですがこれが結構高いですよね。こう思う弥生会計のお客さんにはライブドアのオークションを利用したり株取引をするなどでポイントをためればバージンアップソフトが格安で手に入るといったインセンティブをつければ効果的かもしれません(この程度では月並みな発想であまり面白くありませんが・・・)。
個人情報保護法には「企業がある目的で収集した顧客情報を了解なしに他の目的に使用するな」ということも規定されていますが、お客のほうから企業に対して得する情報をもっと頂戴よ、という風にアプローチさせるようにやり方を工夫すれば何の問題もなく効果的なマーケティングができるのではないかと思います。
Posted by: Keiichiro.K : November 10, 2004 | 11:53 PM