名義書換代理人をおかない上場会社があったとは・・・

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昨日の日経新聞朝刊11面の記事。

株式事務外部委託、東証、例外なく義務化
 東京証券取引所は西武鉄道の問題を受け、全上場企業に例外なく株式事務の作業を外部の専門機関に委託することを義務づける方針だ。株式の実質的な保有者などの状況を専門機関のチェックを受けさせ、情報開示の透明性を高める。
 現在、名義書き換えなどの株式事務を自社で行っているのは西武鉄道のほかに、西武鉄道グループの伊豆箱根鉄道、タクシー大手の大和自動車交通(ともに市場第二部上場)の二社。有価証券報告書には「大株主の状況」という欄があり、西武は誤った株式保有比率を記載し続けていたことになる。有価証券報告書は会社の責任で金融庁に提出するため、東証にチェックする義務はないが、再発防止のため株式事務の外部委託を徹底する。

この西武鉄道の初期の報道で「西武鉄道が親会社であるコクドからの指示で株式の名義を書き換えていた」というのを聞いたとき、「実務上、名義書換代理人とはどう情報をやりとりしてたんだろう?」と疑問に思ったんですが、名義書き換えを全部西武鉄道自身でやってたんですね。
日経会社情報を見ても名義書換代理人の欄に「本社」と書いてあります。
商法上は確かに、「定款ヲ以テ名義書換代理人ヲ置ク旨ヲ定ムルコトヲ得」(商法206条�)とありますので、置かなくてもいいわけですが・・・。それで事務が回っていたというところもある意味すごいかも知れません。
(ではまた。)

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名義書換代理人をおかない上場会社があったとは・・・” への5件のコメント

  1. (いつも読んでます。)
    まったく同感です。ごまかしようもないのをごまかせた。というところがこういうことだったんですね。
    自営というのは、どっかの会社にあるとはきいてはいましたが、ここだったとは。。。。

  2. 同じコメントを旧さくら銀行にいた方に言ったら、「え、さくら銀行にも株式部っていうのがあって、そこでやっていたよ。それが普通じゃなかったの?」という反応が返ってきました。旧三井銀行時代からですから、太陽神戸銀行との合併に伴う実務も自社でこなせる位の力はあった訳でしょう。会社四季報によると現在の三井住友銀行の名義書換代理人は住友信託銀行ですね。存続会社である旧住友銀行が名義書換代理人として使っていたためと思われます。旧さくら銀行株式部の実務家の方々はどこへいかれたのでしょう。ちょっと気になります。

  3. taishosubekiさん、こんにちは。
    いつも読んでいただいているとのことで、ありがとうございます。
    不勉強で、taishosubekiさんのブログをはじめて拝見したのですが、非常におもしろいですね。
    公開準備をしている企業には非常に勉強になるんじゃないかと思います。早速、公開間近の会社の総務担当者にURLを送らせていただきました。
    (ではでは。)

  4. krpさん、遅くなりまして。
    よく考えたら、信託銀行各社の名義書換代理人は自社なので、銀行クラスともなれば、自社でできてもおかしくないですね。
    ただ、ご案内の通り、信託銀行ともなると、毎日、六法全書を隅から隅まで読んでるようなおじさんが何人もいらっしゃいますが、西武鉄道などの一般事業会社で、そうした株式事務の担当者が商法改正などにキャッチアップしていくのは、いかにもつらそう。
    「浮動株がそんなに多くないので信託銀行に名義書換を頼むのはコスト的にアホくさい」ということで、そのコストをケチって(?)、名義書換代理人を置かなかったのかも知れませんが、そうした株式代行会社の価値は、単なる「事務」のアウトソーシングだけではなくて、商法を中心とした事務手続きの「アドバイザー」としての価値が大きいかと思います。そういう商法・証取法まわりのことを相談できる先がなかったことが、コンプライアンスのセンスを失わせ、総会屋やインサイダーの問題を引き起こす原因になったのかも知れません。
    (ちょっと株式代行[信託銀行]さんを持ち上げすぎ?)

  5. 東洋経済に記載されているように、コクドの津島監査役(元常務・元株式課長)が株券返還訴訟で証言しているように、コクドの株式課と鉄道の株式課はほぼ一体で、鉄道の社員は原宿の指示をほぼ盲目的に受けて、言うとおりにしていたのですね。これは、例の総会屋事件でもまったく同じ構図で司令塔たるコクド本社(原宿)が鉄道を完全に支配しているのです。コクドの役員・社員にも資産の売却・移動などなどの権限は一切ありませんし、山口・三上など他の取締役には、証券取引の知識も法的義務に対する認識もあろうはずがないのですから、最終的には津島氏が堤氏に直接の指示をあおぐというのが、命令系統なんですね。
    この間には、株主とか一般市場関係者といった発想は完全に欠如しているはずで、「堤商店」そのものの思考回路がはたらいているだけなのですよ。