MSCBの研究(その3「転換価額修正の限度」編)

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昨日に続いて、本日は転換価額修正の「限度」について。
下の図のように、転換価額修正条項がついている転換社債の発行事例全119件のうち、下限が無いもの(底なし)が6%程度。
最も多いのが「8割までは修正します」というパターン(36%)、次が「半分までは修正します」(21%)というパターンです。
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一方、株価の変動により、転換価額が下方にのみ修正されるものか、上方にも下方にも修正されるのかについては、以下の通り。修正条項のついているもののうち3分の2は下方にのみ修正されるもの。下方だけでなく上方にも修正されるものは、修正条項のついているもののうち3分の1になります。
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「死のスパイラル」
修正条項が下方のみへ修正される場合、株価の変動が激しいと、一度株価が下がって転換価額が下がってしまうと2度と上がらないわけです。ただし、冒頭の転換価額の下限が80%等に設定されていれば、いくら下がっても8割までということですし、昨日の修正の頻度で見たように、社債の償還期限までに1〜2回しか転換価額が修正されないような条件のものについては、この「ラチェット性」はたいして効きません。
しかし、昨日の修正の頻度が高い条件と組み合わさると、株価がいったん下落すると→転換価額下方修正→既存の株主の権利が希薄化→さらに株価が下がる→転換価額がさらに下落、という「死のスパイラル」に入ることになります。
(本日はこれにて。)

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