資金調達と議決権とガバナンス

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • Delicious
  • Evernote
  • Tumblr

Krpさんは「なのにGoogleはIPOするの」で、かく申されました。

私は、Google の Class A 株の投資家は、通常の公開株式以上のリスクがある証券をオファーされていると認識しています。Class B 株、敵対的買収防止策、四半期毎の業績には頓着しない、情報開示は法律で求められている以上にはしない、など。Google への投資で、なぜそれだけのリスクを許容しなければいけないのか。

(「しなくてもいいですよ。」・・・というのもなんなので。)
リスクは低ければ低いほどいいというものではなく、リスクの高い証券も低い証券もあって、そのリスクも織り込んだ上で市場で証券が取引される価格が決定される、ということではないかと思います。
わざとそのリスクを隠したりわかりにくくしたりするのは開示上問題ですし、証券を売る人(証券会社)が、そのリスクをよく理解できないような客にリスクをよく説明しないで証券を売りつけるということは適合性原則上アウトですが。Googleは、そういうことをしようとしているわけじゃないと思います。
「気持ち悪い」人は、その「気持ち悪さ」の分だけ安くbidすればいいだけかと。
ガバナンスの仕組みについては、「IPOをして Public Company になる資格は満たしているといえます。」というご意見なので、krpさんとはほぼすり合っているのではないかと思いますが、他の方々も含め、あとちょっとだけ、別の視点から、企業が資金調達をする場合の議決権とガバナンスについての確認をば。
★問1.例えばみなさんは、「社債(普通社債)」って「気持ち悪い」ですか?
普通社債には株主としての議決権がついてないので、「会社に金を出すのに創業者の株と同じだけ議決権がついてないと気持ち悪い」という人は、社債は気持ち悪いかも知れません。(微笑)
image002.gif
★問2.問1で、「社債が気持ち悪いわけないじゃん」という人は、転換社債とかワラント債はどうですか?これはエクイティらしきものがグリコのおまけのように社債にくっついてます。
そんな、株のできそこないみたいなもんがくっついたのは「気持ち悪い」でしょうか。
image004.gif
★問3.問2で、「転換社債やワラントなんて”フツー”じゃん」という方は、こういう債券はどうでしょう。
債券だけど、(株主としての)議決権がちょっとだけ付いてます。
ちょっと気持ち悪くなってきました?
でも、法律上どう設計するかはともかく、社債権者なのに株主としての決議にも参加できるので、ただの社債よりガバナンス上は強力になりそうですよね。
image006.gif
★問4.では、Class B株式はどうでしょうか。
利息なんてみみっちいもんじゃなしに、ダイナミックにキャピタルゲインもお楽しみいただける上に、議決権もちょっとだけ付いてます。
image008.gif
★問5.普通株式は気持ち悪いですか?
image010.gif
わたしは、どの資金調達方法も「あり」だと思います。
ソニーのトラッキングストックも(これは、あまり今後流行る感じもしませんが)、親会社の議決権がちょびっとあるだけで、肝心の子会社の議決権がついてません。
「おれはso-netに投資したかったのに何でso-netの議決権が無いんだ!利益配当がSo-netの業績に連動するからいいだろだと?ふざけんな!経済的価値と議決権がセットになってるのが株式だろ!」
とも申しません。
「あり」です。ウケなければ売れないだけ。
(では。)

[PR]
メールマガジン週刊isologue(毎週月曜日発行840円/月):
「note」でのお申し込みはこちらから。

資金調達と議決権とガバナンス” への2件のコメント

  1. 有価証券投資論レポート#3

    磯崎哲也さんから「資金調達と議決権とガバナンス」と題したトラックバックを頂きました。だんだん、磯崎教授のゼミに参加しているような気分になっております(^^;) 有価証券投資の基本はリスクと期待リターンだと思います。私は Google の Class A株をオークションするに…

  2. 株式投資のリスクとリターン

    お久しぶりです。藤沢Kazuです。
    最近は、本業が激務になってきましたので少々アップデートが遅れておりました。
    どうもすいません。
    今日はいよい…