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April 15, 2004

組織のパラダイムシフト(「日露戦争物語」)

江川達也氏の「日露戦争物語」(週刊ビッグコミックスピリッツ 小学館)ですが、

前号まで:明治27年(1894年)7月、朝鮮での内乱鎮圧に出兵した日清両軍が陸海で衝突。日本軍は各初戦に勝ったものの陸海軍とも膠着。(以下略)

というところで、今週(04/4/26) 号では牡丹台陣地での戦いを描いています。
戦闘シーンとかがワヤクチャでよくわからないので毎週丹念に読んでいるというわけでもないですし、私、歴史の専門家ではないのでこの江川氏の歴史解釈がどの程度正しいのか よくわかりませんが、「組織」のパラダイムの変化と、インセンティブ、行動パターンの変化、個々の「構成要素」のインテリジェント化、といった観点から考えると非常に面白かったので、以下、ご紹介まで。

「清国一の歴戦の勇士(注:左宝貴将軍)は日本軍のこの(注:高い城壁から狙い撃ちされるにもかかわらず、仲間を助けに飛び出して、清国軍陣地を攻撃する)攻撃を見て直感した。
“この軍は今までに戦ってきた満州の馬賊たちとは違う”ということを。
(中略)
自ら進んで敵弾のなかに身を投じて戦う兵が・・・わが清国軍にはたしてどれほどいるか・・・
あいつらを動かしているものは・・・なんだ?
カネか?恐怖か?名誉か?

日本軍を動かしていたもの・・・それは、“国民国家”であった。

皇帝にカネで雇われている私兵であり、文官よりも低い地位とされる武官に率いられて異国の地に出征してきた清国軍。
国家の一員として、戦争を遂行する権利と義務を有する、国民の、軍隊である、日本軍。

フランス革命のあとナポレオンの指揮する国民国家の兵が、“散兵”を可能にした。
権利と義務を有する国民は、自らの意思で戦う。
自らを国家と一体化して、横一線に散って戦う散兵戦術でも戦意を喪失しない。

明治政府が進めた四民平等、徴兵制・・・そして議会開設は、この近代戦術を国民に行わせしめたのであった。
戦争の原動力である、近代国家としての“一体感”を。

“愛国心”は、この戦いの後、ますます高められ、歪められていく・・・

つまり、それまでは散開しようものなら敵前逃亡しちゃったりするので、兵は「固まって」しか行動できず、大砲一発でまとめて吹っ飛ばされていたものが、組織を統制するパラダイムが変化し、個々の兵がインセンティブ付けされて「インテリジェント化」することにより、戦いのパターンがまるで変わってしまったということですね。
(もちろん、最後の一行に暗示されるように、いいことばかりではなく、「副作用」も考えられるわけですが。)

ベンチャーの組織が成長するにつれトップ集中型から権限委譲された形に変化する様子や、ストックオプションによるインセンティブ、はたまた、メインフレームから分散コンピューティングやユビキタス化などへの流れなどと、どこが同じでどこが違うのかなど考えて、非常に興味深く読ませてもらいました。
(ではまた。)

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コメント

同じ事はソンムの戦いでも言えると思うのです。
兵士一人一人の教育(愛国)のレベルが高くなければ、恐怖に立ち向かって突撃することすらできないわけです。
その意味で、第一次世界大戦までの列強の教育のレベルの高さは驚嘆させられると思います。
人間として思えば、涙は禁じえませんが…
以下URLはソンムの戦い前夜を描いた「ザ・トレンチ」の紹介ペイジであります。
http://www.minipara.com/movies2001-3rd/thetrench/


与太はサテオキ、お題の組織のパラダイムシフトなんですが、この既存の軍隊組織ってのは正規軍同士の戦いでは有効なんでしょうが、ゲリラ戦においては適当とは言えないような気がします。
で、どういう組織が良いのか、これは頭の痛いところなのです。
磯崎先生のご意見伺いとう存じます。

Greeからたどってみると磯崎さんのブログ。
内容が日露戦争物語じゃあないですか。(笑)
思わずレスです。

上記の文面、僕もまったく同じ思いでよんでいました。自分の会社に当てはめてみたらどうなんだろうと。
難しい問題ですね。
愛国心・愛社心だけじゃなく、指導者・経営者自身についていくこと自体がインセンティブになる場合もあります。
会社の成長のタイミングと求められる組織体制への移行がスムーズにおこなえるところが強いんだろうな。

マンガは人生をおしえてくれる。
ですよね。

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