投資サービスと規制

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金融や商法などの領域でご活躍の神田秀樹 東京大学教授が、本日の日経朝刊31面の経済教室で「投資サービス法の整備を 横断的ルール必要」というテーマで書かれてます。
要旨:

ラーメンファンド、ワインファンドなどの多様な投資商品の登場は歓迎すべきだが、今のままでは詐欺的な商品が出てくる危険性もある。
証券取引法の規定する有価証券の範囲は狭すぎてこうした新商品を取り締まるのには向かない。
また、例えばベンチャーキャピタル業界等がファンドへの投資を証取法上の有価証券とすることが規制強化であるとして反対してきたように、へたな規制をすると新しい芽を摘んでしまいかねない。
米国では幅広い「投資契約」について規制。英国でも銀行や保険も含めた横断的な金融サービス法に改組されている。
これを取り締まる「日本版SEC」などの「番人」の強化も必要。

「誰がベンチャーを助けてくれるの?」日本の未公開株市場の構造にも書きましたが、以前、金融庁に問い合わせたところ、「うちは証券会社での公開株の取引を取り締まる担当はいますが、未公開株の取引とか証券会社以外の法人が行う募集とかを取り締まる担当ってちょっといないんですよねー。」というお話でした。
先日も、怪しげなDMが届きまして。
「当社は証券会社ではありません。上場を予定している企業の第三者割当のサポートをしています。」と、ある未公開企業の第三者割当増資の概要を付け公開益を匂わせた上で、「先に申込証拠金を振り込んだ人には、詳細を送ります。」という明らかに証取法違反の内容でした。つまり、どう見ても証券会社以外による募集に該当しますし、50名以上に送られているDMだとすると公募にも該当するかと思いますが、証取法上の目論見書に相当するような財務のデータ等は何も添付されていません。
単に証取法違反ということではなく、恐らく、オレオレ詐欺とか請求書詐欺の変形版の可能性が高いと思われます。
こうしたマージナルな金融サービスについて、「(資本金○円以上の)証券会社じゃなきゃできない」というような参入障壁については低くすることを検討すべきだと思いますが、一定のルールを設定し、かつ、そういう「怪しげな(というか明らかに法律違反の)」業者は取り締まるという運用にしないと、善意で活動している真面目なベンチャーやベンチャーのサポーターが割を食うことになってしまいます。
神田先生のご提言に基本的に大賛成。
(以上)

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